Q1 ボディトリートメントの手技(AHR)は何年前に習得され、サロンでのお仕事は何年くらい継続していらっしゃいますか

私は日本アロマコーディネーター協会を知ったのは今から18年前になります。当時はマッサージといえば整骨院という認識しかありませんでしたがAHR(ボディトリートメントの手技)があるという事を知り早速資格を取りました。そして、お隣石川県の金沢にサロンとスクールをオープンしました。10年間、福井と石川の行き来を経て、現在は福井県坂井市でサロンとスクールを経営しています。
Q2 経験を重ねられるなかで、やはりボディトリートメントは「体力」が問われるお仕事だと思いますが、普段、どんなことを心がけていらっしゃいますか。又、長く続けられるコツなどあればご教示ください。
AHRのすばらしいところはセラピストの体を痛めないという点で特化していると思います。ボディトリートメントを不自然な態勢で行うと、膝を痛めたり、セラピストの体に色々な不都合が起こります。ボディトリートメントによってお客様に気持ちよくリラックスして頂くのはもちろんですが、セラピストの体が壊れてしまっては困ります。私の年齢になると体のどこかを痛めがちになるものですが、18年間体を痛めたことは一度もありません。それはAHRの基本姿勢である立ち位置、スタンス幅、立ち方向を忠実に行ったお陰だと思います。そのことはAHRの授業で生徒さんにいつも言っていることです。これからも体力が続く限り継続していきたいですね。
Q3 日本の健康寿命は更に延び、これからは60代70代の「お仕事」や「社会との接点」などもフォーカスされていきそうですが、そういった傾向に関してどう思われますか。また高齢者の自宅サロンなども可能だと思われますか
今の日本は、世界でも有数の長寿国となりました。いわゆる「お年寄り」と言われる方々が増えても、今の日本の財政や、テレビや新聞のニュースなどを観ているととても安心して暮らせるような気がしません。そういう私も前期高齢者と言われるゾーンに入っていますが、国や自治体はあてにはできないぞと思うようになりました。しかし周りを見ると元気な高齢者の方がたくさんいらっしゃいます。今後は長寿国日本の高齢者に焦点を合わせ、今まで培ったご術・知識を活用していける様な日本になってほしいと思います。私も自分の仕事を通し、社会との接点を持ちながら今後の人生を送りたいと思っています。
Q4 これまでに多くの方へ施術されたご経験がおありになると思いますが、西畑先生が考えるボディトリートメントを通した「タッチケア」とは何ですか?
人は人に触れられる事で心と体が癒されます。心に何かを抱えていたり体が疲れている時に暖かい手でボディトリートメントを施すと、体全体がホッとし優しい気持ちになります。これはのうのう下垂体から「幸せホルモン」「愛情ホルモン」と言われるオキソトシンが分泌されるという事がわかっています。現在、産婦人科や施設でボディトリートメントをしていますが、施術後は皆さん明るい顔になり、スタッフの方によると、夜中ぐっすりと寝てくださるそうです。アロマでのボディトリートメントは、認知症、介護、膝ケア、全ての面で「手当て」そのものだと思います。
Q5 今後の新しいお仕事の展開などあれば教えてください。
私には娘が一人います。JAAのインストラクター、AHRの講師を取得していて現在一緒にサロンを運営しています。時にはサロン・仕事に対しての意見の食い違いがありますが、一番の理解者であり協力者です。まだ子供が小さいので活動もままならないのですが、今後は私の後を引き継いでほしいと思っています。また私にはもう一つやりたい事があり、昨年JREC薬膳プランナーを取得しました。アロマトリートメント以外でもお客様に喜んでいただける様に切磋琢磨していこうと思います。
Q6 最後に、これから「おうちサロン」を始める方々へメッセージをお願いします。
「おうちサロン」というと無理なく始める事が魅力的ではないでしょうか?女性はどうしても家庭という中でお子さんがいたり、家事をしたり、いろいろな事をこなしていかなければならないわけですが、家の一室をリラクゼーション風にして逆にそれが来られたお客様に構えていない感じがリラックスして頂け、隠れ家的サロンとして成り立つような気がします。若い方はお子さんを通して、知り合ったママ友など、女性は集まるのが大好きです。先日50代の方がAHRの生徒さんになられました。聞くと、定年退職後のライフスタイルとして、アロマセラピーを通して、お友達が集まるサロンを開きたいとのことでした。大きなお店を構えるのもいいかもしれませんが、こじんまりとした「おうちサロン」でも、ホッとする場所を地域の方々に提供していくのも楽しいと思います